2013年は、惑星に関する大きなイベントはありませんが、3月~4月にかけて肉眼でも観測できると期待されているパンスターズ彗星、11月〜12月にかけて月ほどの明るさになると予想されているアイソン彗星がやってきます。
ここでは、今年1年で観測しやすくなる順に各惑星をご紹介していきます。土星や木星、金星の美しいすがたを、ぜひ、天体望遠鏡でご覧ください。
2013年1月7日公開
太陽系について
私たちが暮らしている地球は、約365日をかけて太陽のまわりを1まわりしています(公転
と呼びます)。 地球のほかにも、水星、金星、火星、木星、土星、天王星、海王星などの
惑星と呼ばれる天体が太陽のまわりをまわっています。
私たちの太陽系
「冥王星
」は1930年の発見以来「惑星」に分類されていましたが、2006年8月の国際天文学連合(IAU)総会で「惑星」の定義から外されました。
パンスターズ彗星を観よう
2013年に観られる
彗星の中で、前半の話題となっているのがパンスターズ彗星(PANSTARRS C/2011 L4)です。
2011年6月に発見されてから、肉眼でも観察できる、かなりの明るさになると予想され、太陽太陽に最も近づく3月10日頃にはマイナス3等級の明るさになると予想されています。ただ、彗星の明るさの予測は難しく、実際に近づいてみないと分かりません。
パンスターズ彗星は、2月後半から5月にかけて、みずがめ座付近、うお座、アンドロメダ座、カシオペヤ座と移動していきます。日没後の西の空低くに観えますので、条件が良ければ肉眼でも彗星の尾を観ることができるかもしれません。
以下の図は、2013年3〜4月の東京の午後6時に観られるパンスターズ彗星の予測図です。できれば、双眼鏡や天体望遠鏡を使って観察してみましょう。
アイソン彗星
2013年に観られる彗星の中で、後半で話題となっているのがアイソン彗星(ISON C/2012 S1)です。
約76年に一度やってくるハレー彗星などの周期彗星と違い、太陽に近づくのは今回限りのため、今回を見逃すともう二度と見ることができません。アイソン彗星が見られるのは、一生に一度きりのチャンスなのです。
アイソン彗星は、2012年9月に国際科学光学ネットワーク(ISON:International Scientific Optical Network)のチームにより発見されたばかりの彗星です。太陽に最も近づく11月29日午前4時(日本時間)頃には、月の明るさに近いマイナス10等級ほどの明るさになると予想され、場合によっては、史上もっとも明るい彗星となるため話題となっています。
ただ、彗星の明るさの予測は難しく、実際に近づいてみないと分かりません。近日点と呼ばれる太陽に最も近づく頃に、急に明るくなって長い尾を見せたり、逆に、彗星の中心部分がこわれて無くなってしまうこともあります。
アイソン彗星を観よう!
天体望遠鏡で惑星を観測しよう
木星:~2月にかけて見ごろ
土星は、2月頃までが観測のチャンスとなります。ひときわ明るく輝いているため、ひと目でみつけることができるでしょう。このころ、木星は「おうし座」の近くにあります。
東京では、1月下旬の午後7時頃には南の空高くにあり、午前2時過ぎには西の空に沈んでいきます。
土星:4月~7月にかけて見ごろ
土星は、4月~7月にかけて観測のチャンスとなります。このころ、土星は「おとめ座」にいて、「おとめ座」の1等星スピカと並んで見ることができます。
東京では、4月下旬の午後7時過ぎに東の空から昇り、一晩中明るく輝いたのち、明け方には西の空に沈んでいきます。
金星:今年後半が見ごろ
7月から12月にかけて「宵の明星」として日没後の西の空に、ひときわ明るく輝く金星を見ることができます。2013年の金星は高度はそれほど高くなりませんが、明るく輝くためすぐに見つける事ができるでしょう。11月以降は、金星の見掛けの大きさが増し、天体望遠鏡では金星の満ち欠けを見ることができます。観測の絶好機となりますので、ぜひ、天体望遠鏡で観察しましょう。
7月~12月にかけてかに座からしし座、おとめ座へと移り、最後はいて座へと大きく動いていきます。