夏休み自由研究ガイド理科 （小学生～中学生）

今年のはじめ、世界中でSTAP細胞が大きな話題となりました。多くの問題があるようですが、テレビやネットで万能細胞（ばんのうさいぼう）という言葉を多く目にして、注目の高さを実感したと思います。

万能細胞は、新しい医療の発展に欠かせない重要なキーワードとなっています。

万能細胞は、専門的には「幹細胞」と言います。生物はたった１個の細胞（受精卵）から、分裂してどんどん増え、増えた細胞はやがて骨や皮膚、内臓、血液などなど、役割をもったパーツを作ります。そして、一度、骨や皮膚などの役割が決まった細胞は、他のパーツを変わることはできません。ですが、幹細胞は、まだ役割が無く、どんな体の部分も作れる能力を持った細胞なのです。

万能細胞に注目している分野の１つに、再生医療があります。

再生医療とは、例えば、自分の肝臓が病気になった場合、自分の幹細胞から、新しい肝臓を再生し移植する、という治療法です。現在は、他人の肝臓を移植するため、体に馴染まず失敗することもあります。しかし幹細胞から作る肝臓は、自分専用なので、より安全に移植できるのです。さらに、肝臓の提供者（ドナー）を探したり、順番を待つこともなくなります。それにより、多くの患者を救えると期待されています。