星座は、古代より、夜空の星のなかで明るい星を結んで人や動物の形にみたてたもので、古代ギリシャ神話では物語としても伝えられています。
星座の数や形、名前は国や時代によってもちがっており、同じ場所にある星でも異なる星座を形づくっていることもあり、20世紀のはじめに国際天文学連合(International Astronomical Union)により88個に整理され、全世界共通の星座が定義されました。
星座ごとに学名や略符と呼ばれる3文字の記号、天球上の領域(地球上でいう国境のようなもの)が決められ、現代では、この88個が星座として使われています。
星座と星座線
星座は、天球上の目に見えない領域として定義されていますが、星座の位置や大きさを分かりやすく表すために、星座線や星座絵が使われます。
星と星を結んで星座の形や姿を分かりやすくする星座線ですが、どの星(いくつの星)を選ぶのか、また、線の結び方については明確な決まりはありません。線の結び方は時代や地域によっても異なり、文化的な側面が強いものです。国際天文学連合が作成した星図にも星座線が描かれたものがありますが、あくまで1つの例であり、普段よく見る星座線とはかなりちがうものもあります。いろいろな星座線を比べてみるのも面白いかもしれません。
88星座図鑑では、日本で古くから使われている星座線をもとに、より形をイメージしやすいように工夫した星座線を使っています。
星座と星座絵
星座の姿をよりイメージしやすいように星座絵も使われます。1729年に出版された「フラムスチード天球図譜」に描かれた緻密で美しい星座イラストが一般に広がり、今日の星座絵につながっています。現在の星座絵はこの本のイラストをアレンジしたものが多いようですが、星座線と同じく決まったデザインやルールはありません。
88星座図鑑の星座絵は「フラムスチード天球図譜」のイラストを基に、日本人がイメージしやすく、できるだけシンプルで見やすくなるように独自に作成したものです。実際に星座を見たときの形を再現するようにしていますが、天球上の立体的な星の位置を平面にするときに、図によっては形がゆがんでしまうことがあり、その場合、無理に星座絵をゆがめないようにしているため、図によって星の位置と絵がずれる場合があります。