かんむり座について
かんむり座(冠座)は、美しい王冠の形を表した夏の星座です。
2世紀にプトレマイオスによりまとめられた「トレミーの48星座」の1つです。うしかい座とヘルクレス座に挟まれ、小さな半円形を描いていますが、暗い星で形作られた小さな星座のため、分かりやすい形のわりに見つけるのは難しいかもしれません。
80年に一度の新星爆発を観よう!
かんむり座のε星の近くにある「かんむり座T星(T CrB)」は、爆発により明るさが大きく変化する新星(Nova)と呼ばれる天体です。普段は10等級ほどの暗さですが、新星爆発が起こると急激に明るくなり、2等級ほどの明るさにまで達しますが、短い期間で元の明るさに戻ってしまいます。
研究によると約80年周期で新星爆発が起こると考えられており、過去には1866年と1946年の記録があります。前回が1946年のため次は2026年となりますが、NASAによると周期には幅があると考えられ、予測では今年2024年の9月頃までに見られる可能性があるため、多くの研究者が観測を続けています。
かんむり座T星は、通常は天体望遠鏡や高倍率の双眼鏡が無いと見ることができませんが、爆発するとα星のアルフェラッツ(2.06等級)とほぼ同じ明るさとなり、肉眼でも見えるようになります。
かんむり座は、うしかい座の1等星アークトゥルスとこと座の1等星ベガの真ん中辺りにあり、小さな半円形をしています。
上の星図は、2024年4月上旬の午前0時の東京の空の様子です(4月下旬の午後10時、5月下旬の午後8時もほぼ同じ空になります)。東の空50°ほどの高さに昇ったかんむり座を見つける事ができます。
この頃、北東から南東の空には上記2つの1等星に加え、さそり座のアンタレス、はくちょう座のデネブの合計4つの1等星が明るく輝いているので、目印にすると良いでしょう。
80年に一度のチャンスをお見逃しなく。
かんむり座にまつわる神話
ギリシャ神話では、酒の神ディオニュソスが、クレタ島の王女アリアドネに贈った美しい冠を星座にしたものと言われています。
かんむり座の姿(見え方・星図)
かんむり座はどんな形をしているのでしょうか。星空の中でどのように見えるのでしょうか。
イラストや星図を見ながら調べてみましょう。
星空パネルでは、星座を作る星や星座線、イラストなどをオン・オフしながら、かんむり座の姿を楽しむ事ができます。
かんむり座 基本データデータの見方
和名 | かんむり座(冠座)、(車星) |
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学名 | Corona Borealis |
略符 | CrB |
設定者 | プトレマイオス(トレミー) |
概略位置 | 赤経:15h40m0s 赤緯:+30° |
面積 | 178.710平方度(全天73位) |
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20時正中 | 7月12日ごろ |
正中高度 | 約84° |
主な季節 | 夏 |
肉眼星数 | 約30個 |