2025年3月14日に北米および南米で皆既月食を見ることができます。日本では、北海道、東北、北関東の太平洋沿岸部で小さな部分月食が見られます。午後5時40分頃に月が欠けた状態で昇り、月の出後の3〜10分程度のわずかな時間だけしか見ることができないため、観測は難しいかもしれません。なお、月が半影から出てくる半影食は全国で見ることができます。

月食とは

月食は、太陽の間に地球が入り、地球の影が月全体または一部をかくし、欠けたように見える現象です。月食は、満月の時に見られる現象で、月が見える場所であれば世界各地で同時に見ることができます。

太陽の光が地球にられてできる影には、光が全く届かない本影と、その周辺にうっすらと明るく広がる半影があります。月食は、月が半影にのみ入る半影食、月が本影の中に入る時の位置によって皆既月食部分月食に分けられます。

月食のしくみ
図:月食のしくみ

2025年3月14日の部分月食(日本)

2025年3月14日、皆既月食が起こりますが、日本では部分月食終盤まで観測できません。月食は12時55分頃、月が半影に入り始めるところからスタートします。

北米および南米では、月が少しずつ暗くなり、午後2時9分頃には本影に入り始めます。この時から月が欠け始め、部分月食が進行します。そして、3時25分頃には月全体が本影に入り、皆既月食が始まりますが、残念ながら日本からは赤黒く幻想的な輝きを放つ月を見ることはできません。

日本では、北海道、東北、北関東の太平洋沿岸部で、月が欠けた状態で昇る月出帯食となります。5時40分頃に部分月食が終わる直前の月食が見られますが、月が出た直後の低い空で、観測できる時間はわずか3〜10分程度です。観測時間は東に位置する地域ほど長くなりますが、いずれにしても条件は良くありません。

その他の地域では、半影食の状態にある、やや暗くなった月が昇り、月が徐々に明るくなる様子を見ることができます。ただし、この部分月食は日の入り前後に観測されるため、空がまだ明るく、月が地平線近くにあるため観測は難しいかもしれません。双眼鏡や天体望遠鏡を準備して観測に挑戦するのがおすすめです。

札幌では、午後5時39分頃に月が昇りますが、この時点で月の右上が少し欠けています。その後、月は徐々に高く昇りますが、約9分後の5時48分頃には部分月食が終わります。その後、月は半影食の状態となり、左下から徐々に明るくなっていきます。そして、7時2分頃には月が完全に半影の外に出て、月食の全過程が終了します。

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