2023年にぜひ見ていただきたい、惑星たちと月の美しい競演をいくつかご紹介します。天体望遠鏡や双眼鏡を使って観測してみましょう。
1月1日、7惑星と月の競演
2023年のお正月1月1日の日の入り後の空に水星、金星、土星、海王星、木星、天王星、火星の7つの惑星と月が一列に並び、壮大で美しい姿を見せてくれます。新年早々に7惑星が揃って見られるのは貴重ですので、お見逃しなく。
東京では、午後4時半過ぎに日が沈み、辺りが暗くなってくる5時過ぎには、西南の低い空に明るい水星(1.4等級)と金星(-3.9等級)が並んで輝いています。まだ、空が明るいので、双眼鏡があると見やすいでしょう。
そこから、黄道にそって東へ目をやると、30°ほどの高さに土星(0.8等級)が、海王星(7.9等級)をはさんで明るい木星(-2.4等級)が、少し離れた天王星(5.7等級)を挟んで最接近を過ぎたばかりの火星(-1.2等級)が赤橙色に輝いています。海王星と天王星は暗いため、観測には天体望遠鏡が必要です。
木星と火星の真ん中辺りには、上弦を過ぎたばかりの明るい月(月齢8.7前後)が輝き、惑星と共に一列に並んで見えます。
午後5時40分頃には水星が地平線に沈むため、7つの惑星が揃うのは30分程の短い時間だけとなるので、とても貴重なイベントとなります。その後、土星が午後8時前に、木星が午後11時過ぎに、最後の火星は2日の午前5時前に沈み、全て見えなくなります。
空が明るく水星や金星が見えにくくはなってきますが、1月3日頃までは7惑星が並ぶ姿を見ることができるでしょう。1月3日には月が火星に近づき並んで移動していきます。
1月23日、金星と土星が大接近
2023年1月23日、日の入り後の西の低い空にあるやぎ座の中で、明るい金星と土星が約0°36′の距離まで接近します。近くには新月を過ぎたばかりの細い月が浮かび、美しい姿を見せてくれます。
東京では、午後5時に日が沈み、辺りが暗くなってくる6時頃には、西南の低い空に明るい金星(-3.9等級)と土星(0.8等級)が並んで輝いています。少し離れた所には、月齢1.5前後の細い月がありますが、空がまだ少し明るいので、観測には双眼鏡があると良いでしょう。
この頃、南西の空にあるうお座の中には木星(-2.2等級)が、東南東の空高くにあるおうし座の中には火星(-0.5等級)が見つかります。
日没から1時間半ほど経った午後6時半過ぎに月が沈み、10分後には土星、金星が続いて沈んでしまうため、観測できるのが30分程と短い時間となります。低い空での現象のため、西の空が開けた場所を選んで観測しましょう。
3月2日、金星と木星が大接近
2023年3月2日、日の入り後の西の空にあるうお座の中で、明るい金星と木星が約0°30′の距離まで接近し、美しい姿を見せてくれます。