星座占いでもおなじみの黄道十二星座の1つ「おうし座」は、12月〜1月に見ごろとなる冬の星座です。
オレンジ色に輝く1等星アルデバランや美しいプレアデス星団(すばる)でも知られるおうし座について、基本的な特徴、歴史や神話、星座の姿や見つけ方を星図や星空パネルを使って分かりやすく解説します。冬の夜におうし座を探してみませんか?
なお、星座占いの牡牛座(おうし座)について詳しく知りたい方は、以下のページもご覧ください。
おうし座について
おうし座は、狩人オリオンに襲いかかる牡牛の姿をした冬の星座です。
プトレマイオスによりまとめられた「トレミーの48星座」の1つで、星座占いの誕生星座で知られる黄道十二星座の1つです。
おうし座で最も明るい1等星アルデバラン(全天に21ある1等星の1つ)はおうしの右目にあたる星で、英語ではBull's Eye(ブルズ・アイ:牡牛の目)とも呼ばれています。この星からV字型にならぶ星々が、おうしの頭から角の先までを表しています。
日本では「すばる」と呼ばれるプレアデス(M45)、ヒアデス(Mel25)の2つの星団があり、小さな星が無数に集まって明るく輝いている姿を見ることができます。他にも、超新星の爆発によって残った残骸が蟹のような姿にも見える「かに星雲」(M1)などの星雲もあり、見どころの多い星座です。
西洋占星術では、4/20〜5/20生まれが牡牛座となります。
おうし座にまつわる神話
ギリシャ神話では、大神ゼウスがフェニキア王の一人娘エウロパをさらうときに変身した牡牛の姿と言われています。
古代フェニキアの王女エウロパは、とても美しく優しい娘として評判となっていました。
エウロパの美しい姿に心をうばわれた大神ゼウスは、妻ヘラの目をぬすんで彼女に会いに行くために、白い牡牛の姿に変身し、花を摘むエウロパのそばへと近づきました。
凜々しい牡牛の姿に心をうばわれたエウロパは、牡牛に近づき、その背中に乗ってしまいます。背中にエウロパを乗せた牡牛はとつぜん走り出し、そのまま海をわたり遠いクレタ島まで彼女をさらってしまいました。
本当の姿を表したゼウスは、故郷をはなれて悲しむエウロパをなぐさめ妻にし、エウロパと2人の間に生まれた3人の子供たちは、新しい土地で幸せに暮らしました。後に、この土地はエウロパにちなんでヨーロッパと呼ばれるようになったと言われています。
ちなみに、エウロパは、木星のガリレオ衛星の名前の1つにもなっています。
おうし座の姿(見え方・星図)
おうし座はどんな形をしているのでしょうか。星空の中でどのように見えるのでしょうか。
イラストや星図を見ながら調べてみましょう。
星空パネルでは、星座を作る星や星座線、イラストなどをオン・オフしながら、おうし座の姿を楽しむ事ができます。
おうし座の見つけ方
おうし座の季節は冬。11月下旬の午前0時、12月下旬の午後10時、1月下旬の午後8時頃には南の空70°ほどの高さまで昇り、見ごろとなります。
オリオン座の三つ星を結んだ線を西の方へ延ばしていくと、オレンジ色に輝くおうし座の1等星アルデバランが見つかります。アルデバランを取り巻く星をY字型に繋いでいくと大きな牡牛の姿があらわれ、M45プレアデス星団やMel25ヒアデス星団も輝き、賑やかな星空が広がります。
黄道十二星座であるおうし座は、黄道に沿って東にふたご座、西におひつじ座が並びます。
※上の星図は20時正中時の星空を表しています。半月前の21時、1ヶ月前の22時、2ヶ月前の24時とほぼ同じ星空となります。
この他、冬の大三角をガイドにした、おうし座の見つけ方、冬を代表する星座たちの見つけ方をご紹介しています。ぜひ、ご覧ください。
誕生日におうし座は見える?
星座占いの牡牛座(おうし座)の誕生日となる4月〜5月は、おうし座は地球から見て太陽がある方向にあるため、空の中を太陽と一緒に移動します。このため、星座が昇っているのは昼間となるため基本的には見る事ができません。
しかし、誕生星座と実際の星座の位置がズレているため、日没後の1時間ほどは西の空低くにおうし座を見つけることができます。
おうし座 基本データデータの見方
和名 | おうし座(牡牛座) |
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学名 | Taurus |
略符 | Tau |
設定者 | プトレマイオス(トレミー) |
概略位置 | 赤経:4h30m0s 赤緯:+18° |
面積 | 797.249平方度(全天17位) |
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20時正中 | 1月23日ごろ |
正中高度 | 約72° |
主な季節 | 冬 |
肉眼星数 | 約130個 |