からす座について
からす座(烏座)は、うみへび座の背中に乗ったカラスの姿をした春の星座です。
2世紀にプトレマイオスによりまとめられた「トレミーの48星座」の1つです。小さな四辺形(台形)をしたからす座は、昔、日本では、「四つ星」「帆かけ星」(帆がついた小さな船のように見えるため)という名で呼ばれていたこともあるそうです。
からす座には、2つの銀河が衝突して星々が昆虫の触角のようにのびた形になった、アンテナ銀河と呼ばれるめずらしい天体があることでも知られています。
からす座にまつわる神話
ギリシャ神話では、音楽の神アポロンの使い鳥の物語があります。
使いのからすは美しい白色の身体で、人間の言葉も話しました。アポロンとその妻コロニスの間を行き交い、二人の様子を伝え合っていました。ある日、からすはコロニスが浮気をしているとウソをついてしまいました。怒ったアポロンは、コロニスの家から出てきた人影に矢を放ちましたが、その人影は愛するコロニスだったのです。アポロンは、からすを真っ黒な身体に変えて、空にはりつけにしました。
からす座の姿(見え方・星図)
からす座はどんな形をしているのでしょうか。星空の中でどのように見えるのでしょうか。
イラストや星図を見ながら調べてみましょう。
星空パネルでは、星座を作る星や星座線、イラストなどをオン・オフしながら、からす座の姿を楽しむ事ができます。
からす座の見つけ方
からす座の季節は春。5月下旬の午後8時頃には南の空40°ほどの高さに昇り、見ごろを迎えます。
春の大三角を作るおとめ座の1等星スピカの南西に4つの3等星が小さな四辺形(台形)に並んだからす座が見つかります。明るい星はありませんが、形が分かりやすいので、見つけやすいでしょう。
からす座は、南西から南東にかけて天の川に添うように横たわる巨大なうみへび座の背に乗っているようにも見えます。
※上の星図は20時正中時の星空を表しています。半月前の21時、1ヶ月前の22時、2ヶ月前の24時とほぼ同じ星空となります。
からす座 基本データデータの見方
和名 | からす座(烏座)、帆掛け星、四つ星 |
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学名 | Corvus |
略符 | Crv |
設定者 | プトレマイオス(トレミー) |
概略位置 | 赤経:12h20m0s 赤緯:-18° |
面積 | 183.801平方度(全天70位) |
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20時正中 | 5月22日ごろ |
正中高度 | 約36° |
主な季節 | 春 |
肉眼星数 | 約30個 |