星座占いでもおなじみの黄道十二星座の1つ「おとめ座」は、4月〜6月上旬に見ごろとなる春の星座です。
収穫の神デメテルの姿を表すと言われるおとめ座について、基本的な特徴、歴史や神話、星座の姿や見つけ方を星図や星空パネルを使って分かりやすく解説します。春の夜におとめ座を探してみませんか?
なお、星座占いの乙女座(おとめ座)について詳しく知りたい方は、以下のページもご覧ください。
おとめ座について
おとめ座は、手に麦の穂を持つ女神の姿を表した春の星座です。
プトレマイオスによりまとめられた「トレミーの48星座」の1つで、星座占いの誕生星座で知られる黄道十二星座の1つです。おとめ座が全天で2番目に大きな星座であることはあまり知られていません。
おとめ座のα星スピカは、女神が持つ麦の穂の先で青白く輝く1等星で、オレンジ色に輝くうしかい座の1等星アークトゥルスと合わせて「春の夫婦星」とも呼ばれています。
M49(楕円銀河)、M61(渦巻銀河)、M104(ソンブレロ銀河)などの銀河に加え、かみのけ座の境界近くには、約2,000個とも言われる銀河が集まる「おとめ座銀河団」があります。また、現在は秋分点がおとめ座の中にあるなど、天文学上も重要な星座の1つとなっています。
西洋占星術では、8/23〜9/22生まれが乙女座となります。
おとめ座にまつわる神話
ギリシャ神話では、大神ゼウスの姉で収穫の神デメテルの姿と言われています。
ある日、デメテルの娘ペルセポネが冥土の神ハーデース(プルートンと呼ばれる場合あり)にさらわれました。デメテルがこれを悲しんでほら穴に閉じこもると、草木や花が枯れて大地は寒々とした姿になってしまいました。
これを見かねたゼウスが、冥土の神にペルセポネを帰すように命じ、デメテルは娘に会うためほら穴から出てくると、大地は緑におおわれ命に満ちあふれました。
しかし、冥土の神の策略で二度と地上に戻れなくなるざくろの実を食べたペルセポネは、毎年4ヶ月間は冥土の神のもとに行かなければならず、その間デメテルはほら穴に閉じこもったため、草木が枯れ、これが冬となり季節の始まりとなったと言われています(諸説あり)。
おとめ座の姿(見え方・星図)
おとめ座はどんな形をしているのでしょうか。星空の中でどのように見えるのでしょうか。
イラストや星図を見ながら調べてみましょう。
星空パネルでは、星座を作る星や星座線、イラストなどをオン・オフしながら、おとめ座の姿を楽しむ事ができます。
おとめ座の見つけ方
おとめ座の季節は春〜夏。4月上旬の午前0時、5月上旬の午後10時、6月上旬の午後8時頃には南の空60°ほどの高さまで昇り、見ごろとなります。
北斗七星の柄とうしかい座の1等星アークトゥルスを結んだ線の先に青白く輝くおとめ座のα等星スピカが見つかります。スピカはおとめ座の女神が持つ麦の穂先にあたる1等星です。
黄道十二星座であるおとめ座は、黄道に沿って東にてんびん座、西にしし座が並びます。
※上の星図は20時正中時の星空を表しています。半月前の21時、1ヶ月前の22時、2ヶ月前の24時とほぼ同じ星空となります。
春の大曲線や春の大三角、北斗七星をガイドにした、おとめ座の見つけ方、春を代表する星座たちの見つけ方をご紹介しています。ぜひ、ご覧ください。
誕生日におとめ座は見える?
星座占いの乙女座(おとめ座)の誕生日となる8月〜9月は、おとめ座は地球から見て太陽がある方向にあるため、空の中を太陽と一緒に移動します。このため、星座が昇っているのは昼間となるため基本的には見る事ができません。
しかし、誕生星座と実際の星座の位置がズレているため、日没後の1時間ほどは西の空低くにおとめ座を見つけることができます。
おとめ座 基本データデータの見方
和名 | おとめ座(乙女座) |
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学名 | Virgo |
略符 | Vir |
設定者 | プトレマイオス(トレミー) |
概略位置 | 赤経:13h20m0s 赤緯:-2° |
面積 | 1,294.428平方度(全天2位) |
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20時正中 | 6月6日ごろ |
正中高度 | 約52° |
主な季節 | 春 |
肉眼星数 | 約170個 |