アルゴ座について
アルゴ座は、ギリシャ神話に登場する大帆船アルゴー号に由来する南天の星座です。
2世紀にプトレマイオスによりまとめられた「トレミーの48星座」の1つですが、あまりに大きかったために、現在は、りゅうこつ座、とも座、ほ座、らしんばん座の4つに分割されています。
アルゴ座にまつわる神話
ギリシャ神話では、大勢の英雄たちが大帆船アルゴー号に乗って航海する壮大な冒険物語が伝えられています。
テッサリアの都イオルコスの王子イアーソーンは、幼いころ、反逆者ペリアースによる監禁からのがれ、ケンタウルス族の賢者ケイローン(いて座)の元で育てられました。成人したイアーソーンは、王位を取り戻すためにイオルコスに戻ります。イアーソーンの帰還に驚いたペリアースは、イアーソーンに王位を渡す条件としてコルキスにある金毛の羊(おひつじ座)の毛皮(金羊毛)を持ち帰るように命じます。
冒険の旅に出るにあたり、イアーソーンは船大工のアルゴスに巨大な船の建造を依頼します。この船は、アルゴスにちなんでアルゴー(快速という意味)と名付けられ、乗組員がギリシャ全土から集められました。この時、集められた50人をこえる乗組員はアルゴナウタイ(アルゴーの船員)と呼ばれ、88星座にも登場するヘルクレス(ヘルクレス座)、双子のカストルとポルックス(ふたご座)、アスクレピオス(へびつかい座)、オルフェウス(こと座)などの勇者たちも冒険に加わりました。
イオルコスを出航したアルゴー号は、途中、いくつかの島に立ち寄り、歓待を受けたり、戦いを挑んだりとさまざまな冒険をします。ヘルクレスが島に取り残されたり、難所で船の一部が壊れたりしましたが、何とか、コルキスにたどりつくことができました。
コルキスでは、イアーソーンがコルキス王アイエーテースに金羊毛を渡すよう頼んだものの、難題をつきつけられます。イアーソーンに恋した王女メーデイアの助けをかりて、金羊毛を守るドラゴンを眠らせ、金羊毛を手に入れることに成功します。アイエーテースの船団に襲われながらも、何とかコルキスを脱出したアルゴー号は、イオルコスへの帰路につきます。
帰りの航海では、怪物カリュブディスやスキュラに襲われたり、嵐によって砂漠まで打ち上げられてしまったりと、さまざまな困難に遭遇します。神々の助けやアルゴナウタイのチームワークによって難をのがれ、4ヶ月の航海の末、イオルコスへ戻ることができました。
あらすじを簡単にまとめましたが、神話にはさまざまな神々や妖精、英雄が登場し壮大な冒険をくり広げます。アルゴ遠征隊の神話として伝えられるこの冒険物語は、映画「アルゴ探検隊の大冒険(1963)」のベースにもなりました。
アルゴ座の姿(見え方・星図)
アルゴ座はどんな形をしているのでしょうか。星空の中でどのように見えるのでしょうか。
イラストや星図を見ながら調べてみましょう。
星空パネルでは、星座を作る星や星座線、イラストなどをオン・オフしながら、アルゴ座の姿を楽しむ事ができます。
アルゴ座 基本データデータの見方
和名 | アルゴ座 |
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学名 | Argo |
略符 | Arg |
設定者 | プトレマイオス(トレミー) |
概略位置 | 赤経:8h40m0s 赤緯:-62° |
面積 | 1888平方度 |
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20時正中 | 3月27日ごろ |
正中高度 | 約-8° |
主な季節 | 南 |
肉眼星数 | 約690個 |