星座占いでもおなじみの黄道十二星座の1つ「おひつじ座」は、10月〜12月に見ごろとなる秋の星座です。
古くから知られるおひつじ座について、基本的な特徴、歴史や神話、星座の姿や見つけ方を星図や星空パネルを使って分かりやすく解説します。秋の夜におひつじ座を探してみませんか?
なお、星座占いの牡羊座(おひつじ座)について詳しく知りたい方は、以下のページもご覧ください。
おひつじ座について
おひつじ座は、平原にたたずむ羊の姿を表した秋の星座です。
プトレマイオスによりまとめられた「トレミーの48星座」の1つで、星座占いの誕生星座で知られる黄道十二星座の1つです。
ひつじの頭にあたる2等星ハマルがもっとも明るく、ほかに3〜4等級の暗い星が「ヘ」の字のように並んだ形をしています。「へ」の字の頂点にあたるγ星メサルティムは美しい二重星で、おひつじ座の魅力の1つになっています。
古くからよく知られた星座ではありますが、星空の中ではあまり目立つ星座ではありません。
黄道十二星座では、おひつじ座が12星座の最初の星座になっています。これは、紀元前2世紀ごろに黄道十二星座がまとめられた際に、天文学上の座標の原点となる春分点がおひつじ座の中にあったことから、おひつじ座が起点となりました。(現在の春分点はうお座の中にあります)
西洋占星術では、3/21~4/19生まれが牡羊座となります。
おひつじ座にまつわる神話
ギリシャ神話では、まま母に殺されそうになったプリクソス王子とヘレ王女を助けるため大神ゼウスがつかわした金色の空飛ぶ羊と言われています。
古代ギリシャのボイオティアの王アタマスには、妻である雲の女神ネペレとの間にプリクソススという息子とヘレという娘がいました。その後、アタマス王はイーノという女性と再婚し、さらに他の子供たちをもうけました。
新しい妻イーノは、前の妻ネペレの子供を快く思っておらず、二人の子供たちを生け贄にしようと企みます。
これを知ったネペレは大神ゼウスに助けを求め、ゼウスは黄金に輝く毛皮を持ち、空を飛ぶことができる羊をつかわしました。二人は羊の背中に乗って逃げましたが、ヘレ王女は途中で海に落ちてしまいました。プリクソス王子は悲しみますが、羊の励ましに支えられコルキスの国までたどり着きます。その後、コルキスの王女カルキオペーと結婚したプリクソスは幸せに暮らしました。
この物語は後に、金色の羊の毛皮を探すためのアルゴ船(アルゴ座)による冒険物語へとつながります。
おひつじ座の姿(見え方・星図)
おひつじ座はどんな形をしているのでしょうか。星空の中でどのように見えるのでしょうか。
イラストや星図を見ながら調べてみましょう。
星空パネルでは、星座を作る星や星座線、イラストなどをオン・オフしながら、おひつじ座の姿を楽しむ事ができます。
おひつじ座の見つけ方
おひつじ座の季節は秋〜冬。9月下旬の午前0時、11月下旬の午後10時、12月下旬の午後8時頃には南の空70°ほどの高さまで昇り、見ごろとなります。
さんかく座とくじら座の頭に挟まれ、羊の頭にあたる2等星ハマルを目印に、「へ」の字を逆さまにしたような星の並びを探しましょう。
黄道十二星座であるおひつじ座は、黄道に沿って東におうし座、西にうお座が並びますが、3〜4等級の暗い星で形作られるため、見つけるのは難しいかもしれません。近くにおうし座の1等星アルデバランやプレアデス星団(すばる)も見えるので、目印にすると良いでしょう。
※上の星図は20時正中時の星空を表しています。半月前の21時、1ヶ月前の22時、2ヶ月前の24時とほぼ同じ星空となります。
誕生日におひつじ座は見える?
星座占いの牡羊座(おひつじ座)の誕生日となる3月〜4月は、おひつじ座は地球から見て太陽がある方向にあるため、空の中を太陽と一緒に移動します。このため、星座が昇っているのは昼間となるため基本的には見る事ができません。
しかし、誕生星座と実際の星座の位置がズレているため、日没後の数時間は西の空低くにおひつじ座を見つけることができます。
おひつじ座 基本データデータの見方
和名 | おひつじ座(牡羊座) |
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学名 | Aries |
略符 | Ari |
設定者 | プトレマイオス(トレミー) |
概略位置 | 赤経:2h30m0s 赤緯:+20° |
面積 | 441.395平方度(全天39位) |
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20時正中 | 12月24日ごろ |
正中高度 | 約74° |
主な季節 | 秋 |
肉眼星数 | 約80個 |