こぐま座について
こぐま座(小熊座)は、おおぐま座と親子にあたる小熊の姿をした春の星座です。
2世紀にプトレマイオスによりまとめられた「トレミーの48星座」の1つです。しっぽの先に北極星ポラリスを持ち、天の北極に最も近い星座として、日本では一年中見ることができます。
北極星は実在する一つの星の名前では無く、天の北極にある輝星(明るい星)を指し、現在はこぐま座のα星ポラリスが天の北極に最も近い明るい星であるため、ポラリスのことを北極星と呼んでいます。紀元前12,000年頃には、こと座のα星ベガが北極星でした。
また、こぐま座の中に放射点を持つこぐま座流星群があり、毎年、12月下旬に活発に活発になります。天の北極の近くに放射点があるため、一晩中見ることができる流星群です。
こぐま座にまつわる神話
ギリシャ神話では、おおぐま座と共に悲しい物語が伝えられています。
月と狩りの女神アルテミスに仕えていた美女カリストは、大神ゼウスに気に入られ、やがて男の子アルカスを授かります。これをねたんだアルテミスは、カリストをみにくい熊の姿に変え、森の中へ追いやってしまいました。
月日は流れ、立派な狩人に成長したアルカスは、ある日、森の中で熊に姿を変えたカリストと出会います。息子に気付いたカリストは喜びのあまりアルカスに近づいていきますが、その熊が母であることを知らないアルカスは、カリストめがけて弓を引いてしまいます。
これを見ていた大神ゼウスは二人を哀れみ、カリストをおおぐま座、アルカスをこぐま座として天の星座にしました。
こぐま座の姿(見え方・星図)
こぐま座はどんな形をしているのでしょうか。星空の中でどのように見えるのでしょうか。
イラストや星図を見ながら調べてみましょう。
星空パネルでは、星座を作る星や星座線、イラストなどをオン・オフしながら、こぐま座の姿を楽しむ事ができます。
こぐま座の見つけ方
こぐま座の季節は春〜夏。7月中旬の午後8時頃には北の空50°ほどの高さまで昇り、見ごろを迎えます。
真北の空、観測地の緯度と同じ高さに見える北極星が目印となります。北極星を柄の先とした7つの星から作られる小さなひしゃくの形をした星の並びがこぐま座です。日本では季節に関係無く一年中見ることができます。
※上の星図は20時正中時の星空を表しています。半月前の21時、1ヶ月前の22時、2ヶ月前の24時とほぼ同じ星空となります。
こぐま座 基本データデータの見方
和名 | こぐま座(小熊座) |
---|---|
学名 | Ursa Minor |
略符 | UMi |
設定者 | プトレマイオス(トレミー) |
概略位置 | 赤経:15h40m0s 赤緯:+78° |
面積 | 255.864平方度(全天56位) |
---|---|
20時正中 | 7月12日ごろ |
正中高度 | 約N48° |
主な季節 | 春 |
肉眼星数 | 約40個 |