彗星は、惑星と同じように太陽のまわりをまわっている天体の1つです。
太陽に近づいたり遠くはなれたりして回っているので、 何十年、何百年に一度しか見られないものもあります。これらは周期彗星と呼ばれ、76年に一度しか見ることができないハレー彗星や、1997年に話題となった大彗星ヘール・ボップ彗星などが有名です。
また、一度太陽に近づいた後は、どんどん遠ざかって二度と戻ってこないものもあります。これらは非周期彗星と呼ばれ、2013年に話題となったパンスターズ彗星やアイソン彗星がこれに当たります。
彗星の中心は核と呼ばれ、氷や岩石のチリのようなものでできています。太陽に近づくと、その熱で氷が蒸発し、核の周りにコマと呼ばれるガスやチリの層が作られます。
彗星の特徴でもある尾は、太陽の熱や風などでとけた氷のガスやチリが吹き飛ばされてできたもので、太陽の反対側にのびていきます。
尾には、ガスが吹き飛ばされてできる青っぽいガスの尾(イオンテイル)と、チリが吹き飛ばされてできる白っぽいチリの尾(ダストテイル)があります。
彗星が通ったあとには小さなチリが残され、そのチリの集まりの中に地球が入ることで流星群が見られます。流星群の多くは、その基になる彗星(母彗星)が決まっています。
彗星の謎
彗星には、まだまだ謎も多く、探査機を使った調査が続けられています。
彗星は、太陽系の果てにある小天体が集まったオールトの雲やエッジワース・カイパーベルトと呼ばれる場所からやってくると考えられています。
彗星には、大量の水や有機物が閉じ込められています。有機物は、生命の基になる物質です。私たちが住む地球の水は彗星が運んできたもので、彗星に含まれる有機物が地球の生命誕生に深く関わっていると考える研究者もいます。