流星
流星とは、宇宙空間をただよう小天体が地球の大気に飛び込んで、発光する現象です。一般には、流れ星とも呼ばれます。
流星のもとになる小天体は流星物質と呼ばれ、多くは0.1ミリメートル以下のチリのようなものですが、中には数センチメートルもの大きさを持つものもあり、燃えつきずに地上に落下したものが隕石です。
流星群
流星物質の多くは、彗星が残していったチリです。彗星からは太陽からの熱や風によって表面の氷やチリがガスのように吹き出しています。吹き出したチリは太陽のまわりを公転し続けます。
このチリの集まりの中に地球が入ると、短い期間の間にたくさんの流星を見ることができます。これを流星群と呼んでいます。毎年同じ時期に、同じ流星物質の集まりの中に入るため、流星群が見られる時期は決まっています。
現在、800を超える流星群が確認されており、2021年時点で112の流星群が国際天文学連合により公式に確定しています。
星座と放射点
毎年、夏休みの間に見られる「ペルセウス座流星群」が有名ですが、流星群にはどうして星座の名前が付いているのでしょう。
流星群のもとになる流星物質は毎年同じ方向から地球に飛び込んで来るため、流星が飛び出してくる場所は、天球の1点に集まります。この点は放射点または輻射点と呼ばれ、この点がある星座によって「ペルセウス座流星群」や「オリオン座流星群」などの名前が付けられています。
流星は、放射点を中心に四方八方へ飛び出すように流れて見えます。放射点の近くでは流星は短く、離れるほど長くなって見えます。また、放射点の高度が高いほど流星は見えやすくなります。
流星群の期間中で、特に流星が多く見られる日を極大日と呼びます。単にピークと呼ぶこともあります。極大日は年によって少しちがってきます。
流れ星を見つけよう!
流星群は、とても身近な天体ショーの1つです。特別な機材も必要なく、夜空を見上げるだけで、どなたでも楽しむ事ができます。
でも、流星はいつ、どこで流れるか、前もって知る事ができないため、必ず見られるというものでもありません。
流星が流れる時間は1秒にも満たないものがほとんどで、願い事をする間もなく、あっという間に消えてしまいます。まれに数秒間に渡り流れるものもあり、その姿は感動的です。
流星観測マメ知識を読んで、流星観測のコツを知れば、美しい流星に出会える確率がぐんっとアップするかもしれませんよ。
流星観測マメ知識
流星群はいつ見られるの?
流星群によって活発になる時期が決まっています。期間中であれば見えやすくなりますが、特に極大日の前後数日間は観測のチャンスとなります。極大日(時間)にしか見られないというものではないので、前後数日の間の晴れた日や新月の日を選んで観測すると良いでしょう。
流星が見やすい時間は?
放射点の高度が高いほど、放射点近くに出現する短い流星も見られるようになるため、放射点が高く昇る時間帯が適しています。また、明るい月が昇っていると、光に邪魔されて暗い流星が見えにくくなるため、月が沈んでいる時間帯が適しています。
流星観測のコツ
流星は、放射点を中心に四方八方へ放射状に飛び出すように流れて見えます。放射点の近くでは流星は短く、離れるほど長くなって見えます。流星を見る場合は、放射点の方向を見るのではなく、空全体に目を向ける事を意識しましょう。できれば寝そべって、ゆっくりと視線を動かしながらぼんやりと空を眺めていると、視界の端に流星が飛び込んでくることでしょう。
流星観測に適した場所
流星群は、日本全国場所を選ばず楽しめる天体ショーです。流星は空の広い範囲に出現するので、できるだけ空が開けた場所を探すのがポイントです。周囲を木に囲まれたキャンプ場より、小高い丘や山の頂上、海岸などが適しています。