星座占いでもおなじみの黄道十二星座の1つ「さそり座」は、6月〜7月下旬に見ごろとなる夏の星座です。
古くから知られるさそり座について、基本的な特徴、歴史や神話、星座の姿や見つけ方を星図や星空パネルを使って分かりやすく解説します。夏の夜にさそり座を探してみませんか?
なお、星座占いの蠍座(さそり座)について詳しく知りたい方は、以下のページもご覧ください。
さそり座について
さそり座は、尾に毒針を持つサソリの姿をした夏の星座です。
プトレマイオスによりまとめられた「トレミーの48星座」の1つで、星座占いの誕生星座で知られる黄道十二星座の1つです。
さそり座の特徴的なS字のカーブは「釣り針」に見立てられることも多く、魚釣り星や釣り星など、釣りにちなんだ名前や伝説が伝えられています。
夏の夜の空低く、さそり座の中央に真っ赤に輝くアンタレスという1等星が目に付くので、すぐに見つけることができるでしょう。アンタレスは、赤色超巨星と呼ばれる、もうすぐ星の寿命が終わろうとしている星で、さそり座の心臓近くにあるため、さまざまな国で「サソリの心臓」と呼ばれています。
さそり座は、双眼鏡でも見ることができるM6やM7などの明るい散開星団や、太陽系から比較的近い距離にあるM4などの球状星団がある見応えのある星座です。
西洋占星術では、10/24~11/22生まれが蠍座となります。
さそり座にまつわる神話
ギリシャ神話では、地上の全ての獣を倒すことができると自慢した狩人オリオン(オリオン座)を倒したサソリの物語が伝えられています。
巨人オリオンは、美しく力も強い狩人でした。凶暴な獲物もなんなく仕留め、いつも自分が一番強くて、地上の全ての獣たちを倒すことができると自慢していました。
天上からこれを見ていた女神ガイアや神々は、オリオンの傲慢さに怒って、オリオンを懲らしめるために1匹のサソリをつかわしました。
オリオンは、小さくてすばしっこく走り回るサソリを踏みつぶそうとしましたが、サソリはオリオンの隙をついて猛毒のある針でオリオンの足を刺しました。さすがのオリオンもサソリの毒には勝てず死んでしまいました。
サソリは、その勇気がたたえられ星座として天に上げられました。星座となったさそり座とオリオン座は反対の位置にあり、さそり座が昇るとオリオン座が沈むため、サソリを恐れるオリオンが逃げていると言われています。
さそり座の姿(見え方・星図)
さそり座はどんな形をしているのでしょうか。星空の中でどのように見えるのでしょうか。
イラストや星図を見ながら調べてみましょう。
星空パネルでは、星座を作る星や星座線、イラストなどをオン・オフしながら、さそり座の姿を楽しむ事ができます。
さそり座の見つけ方
さそり座の季節は初夏〜夏。5月下旬の午前0時、6月下旬の午後10時、7月下旬の午後8時頃には南の空30°ほどの高さまで昇り、見ごろとなります。
天の川を南の地平線に向かって下っていくと、赤く輝くさそり座のα星アンタレスが見つかります。アンタレスを挟んで東西に延びるS字型の星の並びがさそりの姿を表します。天の川に浮かぶさそり座は明るい星も多く形もハッキリしていますが、低い空を移動するので南の空が開けた場所を選んで探してみると良いでしょう。
黄道十二星座であるさそり座は、黄道に沿って東にいて座、西にてんびん座が並びます。
※上の星図は20時正中時の星空を表しています。半月前の21時、1ヶ月前の22時、2ヶ月前の24時とほぼ同じ星空となります。
夏の大三角やはくちょう座をガイドにした、さそり座の見つけ方、夏を代表する星座たちの見つけ方をご紹介しています。ぜひ、ご覧ください。
誕生日にさそり座は見える?
星座占いの蠍座(さそり座)の誕生日となる10月〜11月は、さそり座は地球から見て太陽がある方向にあるため、空の中を太陽と一緒に移動します。このため、星座が昇っているのは昼間となるため基本的には見る事ができません。
しかし、誕生星座と実際の星座の位置がズレているため、日没後の1時間ほどは西の空低くにさそり座を見つけることができます。
さそり座 基本データデータの見方
和名 | さそり座(蠍座)、魚釣り星、釣り星 |
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学名 | Scorpius |
略符 | Sco |
設定者 | プトレマイオス(トレミー) |
概略位置 | 赤経:16h30m0s 赤緯:-26° |
面積 | 497.783平方度(全天33位) |
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20時正中 | 7月24日ごろ |
正中高度 | 約28° |
主な季節 | 夏 |
肉眼星数 | 約170個 |