2025年しし座流星群概要
流星雨が見られる事でも知られる「しし座流星群」は、秋が深まる11月に入ると活発となり、2025年11月18日午前3時頃(前後する場合があります)に極大を迎えると予測されています。放射点の高度も高く、月明かりの影響も無いので、観測にはとても良い条件となります。
流星雨の予想は出ていませんが、条件が良ければ1時間に15〜20個程度の流星が見られるでしょう。 流星痕が残る流星も多く、明るい火球が見られるかもしれません。
しし座流星群について
しし座流星群は、放射点がしし座のγ星付近にある流星群です。
11月上旬〜下旬に活発になり、11月17日~18日頃に極大となります(年により異なります)。この流星群の母彗星は、33年周期でまわるテンペル・タットル彗星 (55P/Tempel-Tuttle)です。
普段は速度の速い流星が1時間に数個〜十数個ほど見られる中規模の流星群ですが、年により1時間に数千個を超える流星雨(流星嵐)が出現することでも知られています。イギリスの天文学者デイヴィッド・アッシャーらによる流星雨の出現予測に関するダストレイル理論の確立にも貢献し、天文学の分野でも注目される流星群の一つです。
約33年に一度、母彗星が太陽に回帰する時期には流星雨になることもあり、古くからヨーロッパやアメリカを中心に大出現の記録がいくつも残されています。日本でも2001年に流星が大出現する流星雨になり話題となりました。その後は、あまり活発な動きはありません。
基本データデータの見方
和名 | しし座流星群 |
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学名 | Leonids (013 LEO) |
出現期間 | 11月6日~11月30日(IMO) |
極大日 | 11月18日3時(2024年) |
放射点 | 赤経:10h8m0s 赤緯:+21.6° |
星座 | しし座 |
母天体 | テンペル・タットル彗星 (55P/Tempel-Tuttle) |
ZHR | 10〜15(2025年IMO) |
出現数 | 1時間に10~30個 |
速さ | 速い(71Km/秒) |
- 2025年
- 2024年
- 2023年
しし座流星群 2025年11月18日に極大
2025年のしし座流星群は、11月6日から30日にかけて活発となり、11月18日午前3時頃(前後する場合があります)に極大を迎えると予測されています。極大の時刻には、放射点の高度も高く、月明かりも無いため観測にはとても良い条件となります。午前4時半頃に月が昇ってきますが、新月前の細い月のため観測への影響はほとんどありません。
観測のチャンスは極大時刻を挟んだ前後1〜2時間です。2025年の天頂出現数(ZHR)は15個とされており、条件が良ければ1時間に15〜20個ほどの流星が見られると予想されています。流星の速度が非常に速いため、流星が通った後に光の跡(流星痕)が見られるかもしれません。
また、この時期には冬の大三角が夜空に輝き、さらに、明るい木星も昇っています。流星観測の合間に、天体望遠鏡でこれらの天体も観察してみてはいかがでしょうか。
東京では、11月17日午後11時頃に、しし座と共に放射点が東北東の空に昇り、その後徐々に高度を上げていきます。極大時刻である18日午前3時頃には、放射点が東の空で約50°の高さに達し、観測のチャンスとなります。午前4時19分に月が昇りますが、月齢27.6の細い月のため、明け方まで月明かりの影響はほとんどありません。
しし座流星群 2024年11月17日に極大
2024年のしし座流星群は、11月6日〜30日にかけて活発となり、11月17日午後8時頃(前後する場合があります)に極大を迎えると予測されています。極大の時刻には、放射点がまだ地平線の下に沈んでおり、ほぼ満月の明るい月が一晩中昇っているため、観測には悪い条件となります。
放射点が高くなる18日未明、または、前後1日が観測のチャンスとなります。月明かりが邪魔になるので、月を背にしてできるだけ空全体に目を向ける事が観測のポイントとなります。
18日深夜には、天頂近くで、おうし座の2本の角の間で明るく輝く木星(約マイナス2.8等級)と、満月を少し過ぎた明るい月が並ぶ美しい姿を見ることができます。
東京では11月17日の午後11時頃にしし座と共に放射点が東北東の空に昇ります。この時すでに、満月を過ぎたばかりの明るい月(月齢16前後)が昇っています。その後、放射点は次第に高度を上げ、夜明け前の18日午前6時頃に最も高くなります。月明かりが邪魔になりますが、放射点の高度が高くなる18日午前3時〜5時頃が観測のチャンスとなります。
しし座流星群 2023年11月18日に極大
しし座流星群は、11月6日〜30日にかけて活発となり、11月18日午後2時頃(前後する場合があります)に極大を迎えると予測されています。新月過ぎの細い月(月齢5前後)が18日夜には沈んでしまうため月明かりの影響は無いのですが、極大の時刻が日中となってしまうため、観測にはあまり良い条件とは言えません。
放射点が高くなる19日未明、または、前後1日が観測のチャンスとなります。1時間に5〜10個程度の流星が見られると予想されています。流星痕が残る流星も多く、明るい火球が見られるかもしれません。
近年、流星雨の出現予測に使われるダストレイル理論による計算では、極大を過ぎた21日21時頃にも活発になる予想(1767 dust trail, ZHR10-15)が出ていますので、極大日を過ぎても観測のチャンスがあります。
東京では11月18日の午後11時頃にしし座と共に放射点が東北東の空に昇り、その後、放射点は次第に高度を上げ、夜明け前の19日午前6時頃に最も高くなります。午後9時頃には月が沈んでしまうので、できるだけ空全体に目を向けながら観測すると良いでしょう。
しし座流星群 観測のポイント
明るく速度が速い流星が特長のしし座流星群ですが、流星は、放射点を中心に四方八方へ放射状に飛び出すように流れて見えるため、空全体を眺めるのがポイント。街灯などの光が邪魔にならない場所を選び、目を慣らすために暗い場所で15分ほど待ってから、広い範囲の空を見上げるようにしましょう。
木々に囲まれた山の上より、できるだけ空が大きく見渡せる開放的な場所で観測しましょう。月が出ている時は、月を背にして、暗い方の空を眺めるようにしましょう。
近年は大規模な流星雨となる年は少ないですが、小規模の流星雨となる事もある見応えのある流星群ですので、お見逃し無く。