火星は地球の1つ外側をまわっていて、大きさは地球の半分ほどの赤い惑星です。

英語では、古代ローマの神話に登場する戦いの神に由来するマーズ(Mars)と呼ばれ、肉眼でも赤く輝いて見えることから「赤い惑星(Red Planet)」とも呼ばれています。

1960年代後半からのマリナー探査機やバイキング1号の火星着陸、近年では、マーズ・パス・ファインダーやキュリオシティ探査機による地表の分析など、数多くの探査機が調査を行っており、地球以外で最も良く調べられている惑星です。

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  • 2024年
  • 2023年

2025年の火星惑星の動き

2024年12月8日の逆行に転じた火星は、かに座からふたご座へと移り、2月24日の留で順行に戻ります。その後は、年末にかけてしし座おとめ座てんびん座いて座と、黄道十二星座を巡っていきます。

1月12日午後10時37分に火星が地球に最接近しますが、距離が遠く(約9,608万Km)小接近となります。東京では、東南の空高くに明るく輝く火星を見つける事ができます。満月前の明るい月が昇っていますが、-1.4等級ほどの明るさになりますので、天体望遠鏡で観測してみましょう。

表:2025年の火星の主な動き
東矩4月21日
西矩なし
なし
1月16日
(順行から逆行)なし
(逆行から順行)2月24日

※国立天文台参考値

2024年の火星惑星の動き

年初にいて座に入った火星は、年末にかけてやぎ座みずがめ座うお座おひつじ座おうし座ふたご座黄道十二星座を巡っていきます。11月にかに座に入った火星は、12月8日のを迎えると逆行に転じ、年内はかに座の中に留まります。

表:2024年の火星の主な動き
東矩なし
西矩10月14日
なし
なし
(順行から逆行)12月8日
(逆行から順行)なし

※国立天文台参考値

2023年の火星惑星の動き

2022年12月1日に地球に最接近した火星は、その後、地球からどんどん遠ざかり小さく暗くなっていきます。年初の1月13日にとなった火星は、おうし座の中で逆行から順行に戻り、年末にかけてふたご座かに座しし座おとめ座てんびん座さそり座へと、黄道十二星座を大きく巡っていきます。

1月〜4月上旬にかけては、高度も高く1等星より明るいので、この時期が見ごろとなります。次回の最接近は2025年1月12日となりますが、距離が遠く小接近となります。この時期を逃すとしばらくは火星の観測には向かない時期が続きますので、この機会に日に日に小さくなっていく火星を天体望遠鏡で観測してみましょう。

表:2023年の火星の主な動き
東矩3月17日
西矩なし
11月18日
なし
(順行から逆行)なし
(逆行から順行)1月13日

※国立天文台参考値

火星の姿

地表には水は無く、赤茶色の砂でおおわれた砂漠のような地形が続きます。さまざまな観測で水が流れたような地形が見つかっていることから、昔は地球のように川や海があったと考えられています。また、火星の南極北極にあたるところには、白く輝く極冠と呼ばれる氷の固まりがあります。

火星の極冠
イメージ:火星の極冠

火星には、フォボスとダイモスという2つの衛星があります。地球のにあたるものですが、その大きさは小さく、月の100分の1程度です。

火星は、太陽のまわりを楕円を描きながらまわっているため、およそ2年2ヶ月ごとに地球に接近し、さらに、15~17年ごとに大接近します。2003年8月の大接近は5万7千年に1度の非常に条件の良い大接近であったため、普段は小さく見える赤い火星がより大きく明るく見えて、世界中が火星ブームとなりました。

観測メモ

火星が地球に接近している時期が観測のチャンスとなります。倍率の高い天体望遠鏡で火星を観察すると、南極と北極にある白い極冠も観察でき、見る時期によってその大きさが変わっていくことが分かります。 火星にも地球のような季節の変化があり、気温の上昇などによって氷が溶けて大きさが変わるようです。

基本データデータの見方

半径3.389 x 103 km(地球の約0.532倍)
質量6.417 x 1023 kg(地球の約0.107倍)
体積1.631 x 1011 Km3(地球の約0.151倍)
表面積1.444 x 108 Km2(地球の約0.283倍)
表面温度-87℃~-5℃
自転周期1.026 地球日
太陽からの平均距離 2.279 x 108 Km(1.524 AU)
近日点距離 2.067 x 108 Km(1.381 AU)
遠日点距離 2.492 x 108 Km(1.666 AU)
公転周期686.98 地球日
衛星フォボス、ダイモス
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